2022/06/12 15:00

ご報告が遅くれてしまいましたが、定期開催のお弁当配布、実施しました。親子丼を50食提供しています。

この日は初めての、地域交流スペース開所後のお弁当配布でした。シャッターを開けると、子どもたちが大喜びで上がっていきました。
お弁当なので持ち帰ってもらうことができるのですが、多くの子がここに残って食べていきました。おうちの人の許可をもらっている子もいれば、そうでない子もいるでしょう。夕飯に差し支えないのかな、ここで食べて大丈夫かな。心配な気持ちもありますが、子どもがお金を持っていなくても、身一つでこれて、食事がとれる場所をつくってあげたい。そう思って、子ども食堂を始めました。1年半の活動のなかで多くの子どもの名前と顔がわかってきているので、何かあればご家族にも連絡を取りながら、ひとつひとつ、対応していきたいと思っています。

開所の準備に追われて、地域交流スペースの使い方のルールも決め切れていないところがあります。お弁当の片づけや掃除の仕方など、ひとつひとつ子どもたち伝えていきたいと思います。

クレームも、くるでしょう。温かい目で見守ってくださる方だけではないと覚悟しています。
(実際、懸念の声は届き始めています)

子育てをしている親はみんな経験しています。子どもが公共の場を元気に走り回っていると、「うるさい、静かにさせられないのか」「いまの親はしつけができていない」。電車やバスにベビーカーで乗っていると、白い目で見られる。公園ではどんどん禁止事項が増えて、保育園建設にも反対の声があがる社会です。

「少子化の問題は、経済が原因なのではない。『子どもをかわいい』と思えない社会、そのことが問題なのだ」
「なぜ、かわいいと思えないかといえば、子どもは大人たちが思うようにコントロールできない自然な存在だから」
「人間は自分たちが過ごしやすいにように、自然をコントロールしようと都市を築いてきた。都市は自然を排除する。この都市化の問題が行き着くところまできて、子どもが次々と死ぬ社会になってしまった。このままでは日本人はいなくなる」

仕事でインタビューをさせていただいた養老孟司先生の言葉。こういう社会のなかでやっていることは覚悟しておかないといけないなと感じている今日のこの頃です。

(文・森下和海)

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